「補完食を取り入れてみたいけど、デメリットはあるの?」
これから離乳食をスタートするにあたって、こんな疑問をお持ちのママやパパも多いのでは?
補完食とは、科学的な根拠をもとにした、赤ちゃんの栄養を補うための食事。
我が家でも生後6ヶ月頃から補完食をスタート。多くのメリットを感じている一方で、補完食にはデメリットがあることも分かりました…。
この記事では、そんな補完食のメリットやデメリットを離乳食と比較しながらご紹介します!
これから始める方が気になる、補完食の進め方、食材なども私が実践した感想を交えながらお伝えします。
これから補完食(離乳食)をスタートする方は是非参考にしてみてくださいね。
補完食にはデメリットがある!?離乳食との違いとは?
赤ちゃんの食事といえば、離乳食。では、補完食と離乳食はどのような違いがあるのでしょうか?
厚生労働省の授乳・離乳の支援ガイドによると、離乳食はこのように定義されています。
離乳とは、成長に伴い、母乳又は育児用ミルク等の乳汁だけでは不足してくるエネルギーや栄養素を補完するために、乳汁から幼児食に移行する過程 12をいい、その時に与えられる食事を離乳食 13という。
12 離乳の完了は、母乳または育児用ミルクを飲んでいない状態を意味するものではない。
授乳・離乳の支援ガイド(2019年改訂版)
13 WHO では「Complementary Feeding」といい、いわゆる「補完食」と訳されることがある。
「離乳食をWHOでは補完食という」と記載がある通り、定義上は離乳食と補完食は同じ考え方であることが分かります。
ところが、従来の離乳食の考え方と補完食では異なる点がいくつかあるのです。
離乳食と補完食の違いを、メリットとデメリットの視点から見てみましょう。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
離乳食 | ・情報が多い ・迷わないで進められる | ・栄養面からの考え方が不足 ・1回食からスタートなので進みにくいこともある |
補完食 | ・科学的な根拠をもとに栄養を補うことができる ・2回食からスタートで進みやすい | ・情報が少ない ・迷ってしまうこともある |
補完食のデメリットは情報が少ないこと。日本では離乳食が一般的なため、補完食に関する書籍などが少ないのです。
一方で、補完食の最大のメリットは、科学的な根拠をもとに不足する栄養素を補うことができる点。
補完食では離乳食初期から、赤ちゃんに不足しやすい栄養素を積極的に取り入れます。
そして、栄養素を補うために2回食からスタートするので、食べる練習がはかどるのもメリットの一つです。
補完食とは
それでは、補完食とはどのような考え方や特徴があるのでしょうか?補完食の概要をのぞいてみましょう!
補完食の考え方
補完食とは、赤ちゃんの栄養を補う食事のこと。WHOによってこのように定義されています。
補完食(complementary feeding)とは、母乳に加えて他の食物を与えることです。
それらの食物を補完食(complementary foods)と呼びます。
補完食「母乳で育っている子供の家庭の食事」
補完食とは、母乳に加えて与える食事のことなのです。
なぜ補完食が必要なのかというと、赤ちゃんに必要な栄養が母乳だけでは不足してくるから。
赤ちゃんは生後6ヶ月頃になると、母乳から得られる栄養だけでは足りなくなることが分かっています。
「それならば母乳をやめて全て補完食にすれば良いのでは……?」と思いませんでしたか?
いえいえ、母乳も赤ちゃんにとっては大切な栄養源。感染症予防ができるなど、母乳には母乳のメリットが大きいのです。
なので、母乳と補完食で赤ちゃんに必要な栄養を与えるようにしましょう。
補完食を始めるタイミング
WHOによると、生後4ヶ月から6ヶ月の間で次のような状態の場合に補完食をスタートさせると示されています。
- 適切に母乳を飲んでいるが、体重増加が不良な場合
- 頻繁に母乳を与えても、すぐに空腹になっている場合
母乳だけで栄養素が不足するようになると、このような影響が見られます。
補完食を始めるタイミングは、早すぎても遅すぎても赤ちゃんに良い影響はありません。
赤ちゃんの様子を見ながら、適切なタイミングで始めるようにしましょう。
補完食の始め方と進め方
補完食では、1日2回、小スプーン1~2杯からスタートします。
そして赤ちゃんの食欲に応じて、徐々に回数と量を増やしていきましょう。
ただし、細かい増やし方は特に決まりがないので、赤ちゃん個人のペースでOK。
我が家では1日2回からスタートするのは不安だったので、1回から始めました。
補完食の1日の回数
補完食の回数に関する目安は、WHOによると以下の通りです。
- 生後6~7ヶ月 :1日に3回
- 生後12ヶ月まで:少なくとも5回(3回の食事と2回の間食)
「生後6ヶ月で1日に3回なんて多すぎない⁉︎」そう思った方もいるのではないでしょうか。
なぜ初期の頃から複数回の補完食を与えるのかというと、赤ちゃんの胃がまだ小さいからです。
赤ちゃんは胃が小さいので、一回にたくさんの量を食べることができません。
なので十分な栄養を摂るために、分けて与えて、1日分の栄養が取れるようにするのです。
1回目であまり食べてくれなかったとしても、1日に2回目、3回目のチャンスがある。そう思うと気楽に構えていられますね
補完食の濃さ
補完食では、お粥やスープを薄くしすぎないように注意を促しています。
なぜなら、ゆるくしすぎると栄養素まで薄くなってしまうから。
ゆるいお粥だと、お腹いっぱいに食べても十分な栄養素を満たせないのです。
では、どのくらいの濃さが適切なのでしょうか?
WHOによると、「スプーンを傾けても留まっているくらいの濃さ」が良いそうです。
お粥でいえば、五倍粥を滑らかにすると、ちょうどスプーンからポタポタと溢れるくらいの濃さになります。
とはいえ、私が娘の離乳食をスタートしたときに五倍粥を作ってみて、その硬さに驚きました。
始めからこの濃さは食べれるのか…?と不安に思ったので、我が家では十倍粥くらいの硬さでスタート。
その後、だんだんと薄める水分の量を減らし、2週間ほどで5倍粥を食べられるようになりました。
栄養面を考慮することも必要ですが、赤ちゃんの様子を見ながら進めるのが大切ですね。
実際に娘に食べさせた補完食のスケジュールに関しては、こちらの記事でご紹介しています。一例として、ぜひ参考にしてみてくださいね!
補完食で補うべき栄養素とは
WHOによると、補う必要がある栄養素は以下の通りです。
- エネルギー
- タンパク質
- 微量栄養素(特に鉄、亜鉛、カルシウム、ビタミンA、ビタミンC、葉酸)
これらの栄養素は、生後6ヶ月頃から特に不足しがちになるので補完食で補う必要があります。
では、どのような食材からこれらの栄養素を摂ることができるのでしょうか?次の章でお伝えします。
補完食で摂るべき食材
WHOの補完食「母乳で育っている家庭の子どもの食事」では、必要な栄養量を満たすための食品としてこのような食品をあげています。
- 主食(米、麺、じゃがいも、パンなど)
- 豆類、種子類
- 動物性食品
- 緑黄色野菜と果物
- 油、脂肪、砂糖
栄養が不足しないように、これらの食品を組み合わせて食べることが必要です。
補完食では、特に月齢によって与える食材は決まっていません。
その地域で、その時期に得られる食品を、食べやすいように調理すればOKなのです。
補完食の情報はどこで得られる?
先ほどもお伝えしましたが、補完食のデメリットは情報がまだまだ少ないという点。
詳しく知りたくても、情報を得ることが難しいのが現状です。そんな中、以下の方法で補完食について知ることができます。
- インターネット
- 本
- YouTube
補完食について、さらに詳しく知りたい方は活用してみてくださいね。
インターネット
本記事でも参考にさせていただいたWHOの補完食「母乳で育っている子どもの家庭の食事」は、インターネットで誰でも無料で閲覧することができます。
\「母乳で育っている子どもの家庭の食事」を読みたい方はこちらから^^/
本
私が補完食デビューの時に参考にした本はこの2冊。
- 『赤ちゃんのための補完食入門』 (著者:相川晴)
- 『進め方と作り方がわかる初めての「補完食」』(著者:工藤紀子)
『赤ちゃんのための補完食入門』では、著者の相川晴さんの体験談を交えながら、補完食に関してわかりやすく説明されています。
特に参考になったのは、相川さんがお子さんに実際に補完食を食べさせたときのスケジュールやレシピ。
私は補完食を始める前に読んだのですが、進め方のイメージを作ることができました。
また『進め方と作り方がわかる初めての「補完食」』では、補完食の概要とともに数多くのレシピが紹介されています。
補いたい栄養素を考慮した上で食材が選ばれているので、何を作ろうか悩んだときに大助かりでした!
ユーチューブ
本でご紹介した、相川晴さんはYouTubeでも補完食に関する情報を発信されています。
5分から15分ほどの動画で補完食の概要を知ることができますよ。
まとめ
- 補完食にはメリットもデメリットもある
- 補完食のデメリットは情報が少ない点
- 補完食のメリットは、科学的根拠に基づきながら栄養を補うことができる点
- 補完食とは、赤ちゃんに不足している栄養をを補うための食事
- 補完食で補うべき栄養素は【エネルギー、タンパク質、微量栄養素】
- インターネットや本、YouTubeなどで補完食について詳しく知ることができる
今回は、赤ちゃんの食事である補完食についてまとめてみました。
補完食で一番大切なのは、赤ちゃんの不足している栄養素を補うこと。
これを念頭に進めれば、補完食は決まり事が少ないので簡単です!
ぜひ赤ちゃんの食事に取り入れてみてはいかがでしょうか?
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