「育児中のイライラにアンガーマネジメントは役に立つ?」「どうやって役立てたらいい?」
育児中は自分の思い通りにならないことが多く、イライラしてしまいがち。怒るのに疲れてしまうこともありますよね。
そんな育児中のイライラには、アンガーマネジメントがオススメ。
育児をしていて怒りっぽかった私も、アンガーマネジメントを学んだらイライラする回数がグンと減りました!
アンガーマネジメントを学ぶと、怒りの受け止め方が変わります。怒って衝動的に行動したり、発言したりして後悔することがなくなりますよ。
この記事では、そんなアンガーマネジメントについてご紹介します。育児中にどう取り入れたらいいのかもお伝えしますので、参考にしてみてくださいね。
育児中のイライラにもアンガーマネジメントが使える!
産後の女性は特に、睡眠不足やホルモンの影響によって、怒り感情が生まれやすい体質に。
「怒って、物にあたってしまった」「イライラして子どもにあたりそうになってしまった…」と怒りに振り回されて後悔する方も多いのでは?
そんな育児中のイライラは、アンガーマネジメントでコントロールすることがオススメです。
では、アンガーマネジメントとはどのようなものなのか、詳しく見ていきましょう。
アンガーマネジメントとは?
アンガーマネジメントとは、その名の通り「怒りの管理法」。怒りをうまくコントロールするための方法です。
怒りを感じることは、人間として当たり前のことですし、悪いことではありません。
ですが、怒り感情をコントロールせず、怒りを感じたまま行動に起こしてしまうと、自分も周りの人も損してしまいます。
例えば、怒るべきことではないことにまで怒って自分の疲労感ばかり募らせてしまったり、怒って衝動的に周りの人にあたってしまったり…。
怒り感情に乗っ取られたまま行動していると、自分は疲れてしまいますし、周りの人は離れてしまうでしょう。
怒り感情とうまく付き合うためには、感情を受け止めた上でその後の行動を自ら選ぶ必要があります。
怒りは自分が作り出すもの
私を怒らせる相手が悪いのに、なんで私が怒っちゃいけないの?私が変わるべきなの?
怒りは他の人の影響によって生まれている、そう思いますよね。
ところが実際は、怒り感情が生まれるのは、他の人からの影響によるものではありません。
怒りは自分の中から生まれるもの。同じ出来事に対してでも、怒り感情へつながるかどうかは自分次第。
実際に、同じことを相手にされたとしても怒る人と怒らない人がいますよね。
例えば、待ち合わせをしていたら友人が10分遅刻してしまったとします。
10分も人を待たせるべきじゃない!遅刻なんてあり得ない!
遅刻されるのは嫌だけど、10分くらい怒るほどのことでもない。まあ良いか
Aさんは遅刻されて嫌だと感じ、そのまま怒りへ発展。相手にその怒りをぶつけてしまいます。
一方でBさんは、嫌だと感じながらも、怒りにはつながらず。
このように、同じ出来事であっても怒りが生まれるかどうかは、その人の出来事への受け止め方次第なのです。
アンガーマネジメントでは上手に怒ることを目指す
育児中に怒らないなんて無理。危険な時はすぐに怒らないと!
怒らないなんてストレスが溜まる一方でしょ…
このようにアンガーマネジメントを、「怒らないようにする方法」だと思っている方も多いのでは?
ところが、アンガーマネジメントが目指すのは、上手に怒ること。怒らないことではありません。
例えば、子どもが急に道路に飛び出してしまいそうになったとき。
車に轢かれてしまう危険性があるので、「危ないよ!」とすぐに教えてあげる必要があります。
大ケガや命に関わることに関しては怒って伝えるのは当然ですよね。
一方で、これから出かけようとしているときに、子どもがおもちゃを広げて大ハシャギ。
「こんなに散らかしたら、すぐに出かけられないじゃない!」とママはお怒りに。
ですが、子どもがおもちゃで遊んでいることは、本当に怒るべき場面でしょうか?
怒る・怒らないの基準はその人の考え方にもよりますが、この場合はおもちゃをそのままにして出掛けたとしても特に大きな害があるわけではありませんよね。
怒るべきところで怒り、怒らなくても良いところでは怒らない。
怒りをぶつけるのではなく、要望をきちんと相手に伝える。
アンガーマネジメントでは、怒るべきところを区別して、怒りに振り回されずに行動できるようになる方法を学びます。
アンガーマネジメントの怒りに対処する方法とは
では、具体的にアンガーマネジメントの方法について見ていきましょう。
安藤俊介さんによって書かれた『アンガーマネジメント超入門「怒り」が消える心のトレーニング』では、怒りへの対処の仕方として「対症療法」と「体質改善」が必要と述べられています。
対症療法で怒りを瞬間的に収める方法を身につけ、体質改善で日常的に怒りを感じやすくなっている状態を改善。
このような方法で、怒りに振り回されずに自分をコントロールできるような状態を目指します。
では、具体的にどのような方法なのか、詳しくお伝えしていきますね。
その場の怒りを収める対症方法とは?
イライラに身を任せて行動するのはキケン。人間関係や物を壊してしまうことにつながりかねません。
怒りを感じて衝動的に行動するのではなく、まずは6秒間沈黙して怒りを落ち着かせましょう。
イライラの継続時間は6秒間。数秒経つと怒りのピークは過ぎ去ってしまいます。
そして怒りを収められれば、自分の要望をきちんと相手に伝えられる。イライラを相手にぶつけるよりも、建設的な行動ですよね。
では、6秒間をどのように過ごせば良いのでしょうか?ここでは、その方法を3つご紹介します。
育児中でも使える方法を選んでみましたので、ご参考にどうぞ!
メタ認知
メタ認知とは自分の認知している状態を認知すること。つまり、現在の自分を観察することです。
怒りを感じたときに自分の行動に集中すると、客観的に自分を見つめられて、冷静になることができます。
以下のように自分の行動を言葉にしてみましょう。(○○には自分の名前を入れる)
- 「〇〇は手を伸ばしてコップを持った」
- 「〇〇は右足を地面につけた」
- 「〇〇は子どもを抱っこしている腕に重みを感じている」
娘がご飯を嫌がって私のイライラが募ってしまったときに、よくメタ認知をしています。
離乳食をベーっと出して食べてくれずにイライラ…。私も意地になって、全部食べさせようとするけれど、娘の機嫌はどんどん悪くなり食べてくれない。
そんなときは「落ちてきたメガネを上げた」「足の裏にはツルツルした床の感触がある」とメタ認知。
すると、私も冷静になれて「今食べてくれなくても、少し時間を置いた後食べてくれるかな」「歌を歌って気を逸らしてみよう」と自分を落ち着かせることができます。
娘もご飯をご機嫌に食べてくれるようになりました。
怒りを感じたときに、自分の行動を一つ言葉にするだけでも一呼吸おけて冷静になることができますよ。
コーピング・マントラ
コーピングは「うまく対処する」マントラは「呪文」という意味。コーピング・マントラでは、自分に落ち着かせる言葉を唱えます。
怒りを感じたときに唱えると、心を一度落ち着かせて客観的になれますよ。
言葉は何でも良し。自分で一つ決めておくと、怒りを感じたときにすぐに使うことができます。
私はよくこんな言葉を頭の中でつぶやきます。
- 「落ち着け」
- 「大丈夫、大丈夫」
- 「まあいいか」
おまじないのようにイライラしたときにつぶやけば、怒りを感じている自分を落ち着かせることができますよ。
グラウンディング
グラウンディングとは、地に足をつけた状態のこと。今この場所に集中することを意味します。
怒りを感じたら、今見えるものに目を向けてを観察してみましょう。
今いる場に集中することで、怒りから考えを逸らすことができますよ。
方法は簡単。今自分が見えているものを、そのまま頭の中で言葉にするだけです。
私は娘の寝かしつけのときによく使っていました。
昼間の寝かしつけが大変だった娘の6ヶ月頃。眠いはずなのに、抱っこしてもベッドに寝かせても全く寝てくれず…。
泣いている娘を抱っこし続けて「もういい加減寝てよ!」とイライラしてしまいました。
そんなときにグラウンディング。
- 「娘が泣いていて、目から涙が出ているな」
- 「娘の手が小さいなぁ」
- 「部屋の隅では猫が寝ているな」
すると、ふつふつと湧いていた怒りが、これ以上大きくならないように感じました。
今に目を向けると、他の余計なことを考えなくなります。その結果、イライラが膨らんでいくのを防ぐことができますよ。
怒っぽいを変える体質改善とは?
日常的にイライラを感じやすいと、他の人から「また怒ってるの?」なんて言われることも…。
ときには、その言葉にまたイラッときてしまうこともありますよね。
私も夫から言われたときには「誰のせいでイライラしてると思ってんのよ!」と言い返してしまいました^^;
ですが、怒りを感じ続けていると自分の心がどんどん疲弊してしまいます。
自分の心を守るためにも、日常的に怒りを感じることを減らすようにしましょう。
それには、怒りの体質改善によって怒るべきこと・怒らなくてもいいことをしっかり区別する必要があります。
ここでは、怒りっぽい状態を変える体質改善の方法を具体的にその方法を3つご紹介しますね。
笑顔をつくること
心理学の表情フィードバック仮説を利用したものです。表情をつくることによって、その感情が生まれるのではないかと考えられています。
例えば、悲しい顔をしているから気持ちが悲しくなる、怒っている顔をしているから怒り感情が湧いてくる等…。
ある研究では、口角を下げた状態と口角を上げた状態で、単語の見分け方が変わることが分かっています。
結論としては、口角を上げた状態の方が、楽しい単語を見分けるスピードが速くなるのだとか。
日頃からなるべく口角を上げるようにしておけば、頭の中で考え方がポジティブな方へと切り替わります。
同じ出来事が起こったとしても、怒りではなく、プラス思考な考え方につながりやすくなるでしょう。
アンガーログをつける
イライラしやすい人の中には、後で思い返してみて何に怒っていたのか思い出せないという方も多いのでは?
怒ったときにアンガーログをつけると、イライラする原因をはっきりさせることができます。
アンガーログの具体的な方法は簡単。怒りを感じたときに、その出来事と怒りのレベルをメモしておくだけ。
出来事を書くときには解決策や感情などは書かず、あくまでも事実のみを記録します。
怒りのレベルは、10点満点としてどの程度の怒りを感じたのかメモします。
アンガーログを記録することによって、覚していなかった怒りやすいポイントが分かり、イライラ対策をしやすくなりますよ。
ちなみに、怒りを感じる度に記録するのが面倒という方は、スマホアプリを使用してみてはいかがでしょうか?
アンガーログを記録するためのアプリを使用すれば、簡単に記録をつけることができます。
アプリの中には、出来事のメモや数値化の機能に加えて、カレンダー表示で簡単に記録を振り返られるものも。
私は以下のアプリ「気分ログ」を使用。感情ごとに分析もしやすくて、とても使い勝手がいいなと感じました。
紙に書いて記録するよりも、スマホアプリを使用すると手軽に記録することができるのでオススメです。
コアビリーフを見直す
コアビリーフとは、個人が正しいと思っている価値観のこと。例えば「~べき」「~べきではない」「~なはず」という考え方です。
アンガーログを見返すと、怒りの裏にはこのようなコアビリーフを発見できます。
「~べき」は言わばマイルール。マイルールと現実の間にギャップがあると、怒りにつながりやすくなってしまいます。
そこで、アンガーログを振り返ってコアビリーフの許容範囲を広げられないか考えてみましょう。
「許せる」と「まあ許せる」は自分の価値観の中では、本来怒らなくても良いもの。
このように振り返ることによって、怒りの許容範囲を広げることができますよ。
育児で怒りを感じたときは伝え方を工夫しよう
子どもが悪いことをしたときには叱ることも必要。
ですが、怒りに身を任せて大きな声で怒鳴るだけでは、子どもはなぜ叱られているのか理解できません。
では、子どもに伝えるためには、どのような点に注意したら良いのでしょうか。
ここからは、上手に怒るための伝え方を見ていきましょう。
具体的に伝える
まずは自分が相手に何を求めているのかを特定して、その要求を具体的に伝えることが大切。
例えば「ちゃんと」「きちんと」「しっかり」などの程度言葉を使うと、要求している内容が伝わりにくくなってしまいます。
要求は丁寧に、具体的に伝えるようにしましょう。
なぜを伝える
なぜ叱られているのか理由を伝えると、子どもが納得感を得られて理解しやすくなるでしょう。
また、子どもに怒っている理由を伝えることによって、子ども自身の考える力を伸ばすことができると言われています。
忙しくてゆっくり話している時間がないという時でも、なぜ怒っているのかをなるべく説明してあげましょう。
感情を伝える
怒りを伝えるときは、Iメッセージで感情を伝えるのが有効です。
Iメッセージとは、「わたし(I)」を主語にして伝える言葉かけのこと。自分の感情を伝えるので、相手を否定せずにコミュニケーションをとることができます。
それに対してYOUメッセージは、「あなた(YOU)」を主語にして伝える言葉かけのことです。
YOUメッセージは、相手を責めるニュアンス、拒絶するニュアンスで伝わりやすいという特徴があります。相手から反発されやすく、メッセージが伝わりにくくなることも…。
YOUメッセージ:(あなたが)静かにして
Iメッセージ :(わたしは)静かにしてくれると、嬉しいよ
Iメッセージで伝えると、相手はメッセージを素直に受け取りやすくなります。
なるべく「私」を主語にして伝えるように心がけましょう。
まとめ
- アンガーマネジメントとは、怒りに振り回されずに、うまく自分をコントロールするための方法
- 怒りへの対処法は、大きく分けて【対症療法】【体質改善】の2つ。
- 対症療法では、怒りを感じて衝動的に行動しないように、自ら怒りを落ち着かせる方法を身につける。
- 具体的な対症療法は、【メタ認知】【コーピング・マントラ】【グラウンディング】
- 体質改善では、日常的に怒りを感じやすくなっている状態を改善する
- 具体的な体質改善方法は、【笑顔をつくること】【アンガーログをつけること】【コアビリーフを見直すこと】
- 上手に怒るためには、相手への伝え方が大切。
- 相手にうまく伝える方法は、【具体的に伝える】【なぜを伝える】【感情を伝える】
この記事では、アンガーマネジメントについてまとめてみました。
育児中は、思い通りにならないことも多くて起こりたくなる場面もたくさんありますよね。
ですが、そこで怒りに身を任せていては、自分も周りの人も損するばかり。
アンガーマネジメントを利用して、怒りとうまく付き合えるようになりましょう。
今回参考にした本はこちら!
初心者向けにアンガーマネジメントの理論や方法が分かりやすくまとめられています。
紹介しきれていない方法もありますので、気になった方はぜひ一度読んでみてくださいね。
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