「米麹のみで作った甘酒と、ご飯を加えて作った甘酒はどう違うの?」
本記事では、米麹のみで作る甘酒と、ご飯と米麹で作る甘酒の違いを詳しくご紹介します。
ほんのり優しい甘さが美味しい米麹甘酒。最近では、ご自宅で手作りする方も増えているのだとか。
手作り甘酒のレシピとしてよく紹介されているのは、ご飯に米麹を加えて発酵させるレシピですよね。
ですが、実は米麹のみでも甘酒を作ることができます。
米麹のみで作る甘酒は、甘さが控えめで、豊かな麹の香りが特徴的。
ご飯と米麹で作る甘酒とは、また違った味わいを楽しむことができますよ。
この記事では、米麹のみで甘酒を作る方法もご紹介していますので、参考にしてみてくださいね。
甘酒は米麹のみで作るとどんな違いがある?甘酒の作り方とその違い
米麹甘酒には、米麹のみを使う作り方とご飯と米麹を使う作り方があります。
米麹のみで作る甘酒は、甘さ控えめで風味豊かなのが特徴的。
ご飯と米麹で作る甘酒が甘すぎるという方には、米麹のみで作る甘酒がオススメです。
それでは、米麹のみの甘酒とご飯をプラスした甘酒の違いについて、詳しくみていきましょう!
米麹甘酒の作り方は厳密には3種類ある
米麹甘酒を作る方法には、早造り、薄造り、硬造りの3種類があります。
早造りと呼ばれる方法では、米麹と水だけで甘酒を作ります。
一方で、手作り甘酒として一般的によく紹介されるのが、お米を加える薄造り。
柔らかく炊いたお米に、米麹を加えて発酵させます。
そして、お米を通常通り炊いたものを使うのが硬造りです。
このように、甘酒の作り方によってそれぞれ原料となるものが異なります。
では、味や食感などはどのような違いがあるのでしょうか?
甘酒を作る方法には3種類あるとお伝えしましたが、ここでは米麹のみで作る方法と、ご飯と米麹で作る方法について詳しくみていきましょう。
甘酒は米麹のみにすると味や食感が異なる
米麹のみで作った場合と、ご飯を入れる場合の甘酒の違いをまとめてみました。
甘味 | 食感 | 風味 | 出来上がる量 | |
米麹のみ | 弱 | 滑らか、サラサラ | 強 | 少 |
ご飯と麹 | 強 | ツブツブ、トロトロ | 弱 | 多 |
米麹のみ甘酒は甘さ控えめ
ご飯と米麹で作った甘酒を比較すると、米麹のみの甘酒は甘さがマイルドです。
なぜなら、米麹のみで作る甘酒には、甘味を作る酵素のエサになるものが少ないから。
そもそも甘酒の甘味は、発酵によって糖分を作り出すことで生まれます。
そこで重要な働きをするのが、麹に含まれるアミラーゼという酵素。
このアミラーゼが、お米に含まれるデンプンを小さく分解していきます。
すると、デンプンがブドウ糖に変化!甘味を感じるようになる、というわけです。
米麹も元はお米なので、米麹のみで作っても甘味のある甘酒を作ることができます。
ですが、ご飯を加えると酵素のエサとなるデンプンが増えるので、さらに甘味が増すのですね。
なので、甘すぎるのが苦手という方は米麹のみで作る甘酒がオススメですよ。
米麹のみ甘酒は滑らかな舌触り
米麹のみで作った甘酒は、滑らかでサラサラとした食感。お米の粒感がありません。
米麹の粒は残りますが、ミキサーで砕くと比較的とろみは少なめ。
一方、ご飯と米麹で作る甘酒は、ご飯の粒が残ってツブツブとした食感になります。
ハンドミキサーでこの粒を砕くと、トロトロのとろみがある状態に。飲みごたえがありますが、この食感が苦手という方も多いようです。
ツブツブ、トロトロが苦手という方は、米麹のみの甘酒の方が飲みやすいかもしれません。
米麹のみ甘酒は麹の風味が豊か
ご飯を加えて作るよりも、米麹のみで作る方が麹の香りが強め。
ご飯を加えると、お米の香りと混ざって麹の香りが消えてしまいがち。
麹の香り豊かな甘酒を作りたいときには、米麹のみがオススメです。
米麹のみ甘酒は少量しかできない
ご飯と米麹で作る甘酒と比較すると、米麹のみの甘酒はできあがる量が少なめです。
同じ米麹の量を使った場合、ご飯を入れるとその分だけ量をかさましすることができます。
米麹のみだと少量しか作ることができないので、コスパは悪め。
たくさん作りたいという方は、ご飯を加える方法がオススメですよ。
甘酒を米麹のみで作ってみよう!レシピを紹介
米麹のみで甘酒を作るには、いくつかの方法があります!
炊飯器や魔法瓶などお家にあるものを活用して、美味しい甘酒を作ってみましょう。
炊飯器を使った米麹甘酒の作り方
炊飯器の保温機能を利用すれば、温度を一定に保って発酵させることが可能!
機種によって保温温度が異なるので、温度を確かめながら作りましょう。
- 炊飯器
- 温度計
- 米麹…200g
- お湯…600cc
- STEP1炊飯器に米麹とお湯を入れて、炊飯器を保温モードにする
- STEP2温度が60℃になっているか確認する
※温度が高い場合は、氷を入れるなどで調整
- STEP3温度を55℃~60℃くらいに保ち、8~10時間発酵させる
※温度が高くなりすぎる場合は、蓋を開けて布をかぶせておくなどで調整する
※2~3時間に1度かき混ぜると、ムラができづらくなる
- STEP4甘い香りがして、ペースト上になったら完成
魔法瓶を使った米麹甘酒の作り方
炊飯器を長時間使えないこともありますよね。そんな時は、魔法瓶を使って作ってみましょう。
魔法瓶をお持ちでない方は、ステンレスボトルで代用することができますよ。
- 魔法瓶
- オタマ
- 鍋
- 温度計
- 米麹…200g
- お水…600cc
- STEP1魔法瓶にお湯(分量外)を入れて温めておく
- STEP2鍋に水を入れて、60℃になったら一度火を止める
- STEP3鍋に米麹を加えて混ぜる
- STEP4温めておいた魔法瓶に、3を入れる
- STEP5魔法瓶の中の温度が60℃~63℃になっているか確認する
※温度が低い場合は、鍋に入れてもう一度加熱する
※温度が高い場合は、鍋に戻してから魔法瓶に再度入れて温度を下げる
- STEP6蓋を閉めて、温度が下がらないところで10~12時間発酵させる
※2~3時間に1度かき混ぜると、ムラができづらくなる
- STEP7甘い香りがして、ペースト上になったら完成
魔法瓶の場合は、温度が下がりやすいので要注意。
蓋を閉めた後にタオルなどで包んで、温度を一定に保てるようにしましょう。
ヨーグルトメーカーを使った米麹甘酒の作り方
ヨーグルトメーカーは温度設定ができるので、加熱しすぎる心配ナシ。
簡単に失敗せず甘酒を作ることができますよ。
ヨーグルトメーカー(60℃まで温度設定ができるもの)
- 米麹…200g
- お水…600cc
- STEP1ヨーグルトメーカーに、水と米麹を入れてよく混ぜる
- STEP2内蓋、外蓋をしてヨーグルトメーカーにセットする
- STEP3温度を60℃、時間を10時間~12時間にセットして発酵させる
※2~3時間に1度かき混ぜると、ムラができづらくなる
- STEP4甘い香りがして、ペースト上になったら完成
ちなみに、ご飯を使った甘酒の作り方に関しては、こちらの記事でご紹介しています。気になる方は参考にどうぞ!
米麹甘酒と酒粕甘酒の違いとは?特徴や効果を紹介!
ここまで米麹甘酒についてご紹介してきましたが、酒粕甘酒とはどのような違いがあるのでしょうか?
米麹甘酒と酒粕甘酒は、原料だけではなく栄養成分や期待できる効果も異なると言われています。
2種類の甘酒の特徴、期待できる効果について詳しく見ていきましょう。
米麹甘酒と酒粕甘酒の特徴
米麹甘酒と酒粕甘酒の特徴をまとめてみました。
- 米麹とお米が原料
- アルコールなし
- お米の自然な甘さがある
- 酒粕が原料
- アルコールあり
- 甘さが無いため砂糖を加える
- 日本酒のふくよかな香りがある
同じ「甘酒」と言っても、米麹甘酒と酒粕甘酒は、味、香りまで異なります。
米麹甘酒はお米の優しい甘さがあり、お米や麹の粒々とした食感やとろみを感じるのも特徴です。
一方で、酒粕甘酒は日本酒のような味と香り。酒粕だけでは甘味がないため、砂糖が加えられます。
それぞれに魅力があるので、どちらが好みなのか飲み比べてみると良いかもしれません。
米麹甘酒と酒粕甘酒に期待できる効果
では次に、米麹甘酒と酒粕甘酒ではどのような効果が期待できるのでしょうか?
各甘酒の効果について、詳しく見ていきましょう。
米麹甘酒
米麹甘酒には、つぎのような効果が期待できます。
- 疲労回復
- 腸内環境改善
- 免疫力アップ
- 抗酸化作用
米麹甘酒の大きなメリットの一つは、疲労回復効果が期待できること。
疲れ解消効果があるブドウ糖や、そのブドウ糖を代謝するときに必要なアミノ酸が豊富に含まれています。
また、麹菌には、疲れやストレスに効果的なビタミンB群を増やしてくれるはたらきも。
そのほかにも、米麹甘酒には腸内環境改善、免疫力アップ、抗酸化作用などの効果が見込めます。
なので、疲れを感じている方や便秘持ちの方、肌をキレイにしたいという方にも米麹甘酒がオススメですよ。
酒粕甘酒
酒粕甘酒に期待できる効果は以下のとおりです。
- 肝障害抑制効果
- 健忘症による記憶障害予防
- 抗アレルギー作用
- 骨粗鬆症予防
- コレステロール上昇抑制効果
- 肥満予防
- 高血圧予防
酒粕甘酒には高血圧予防や肝障害抑制効果など、多くの病気予防の効果が期待できます。
なぜなら、酒粕甘酒には多種多様なペプチドが含まれているから。
ペプチドとは、アミノ酸が繋がった集合体のことです。
アミノ酸の並び方によって膨大な種類のペプチドがあり、中には健康機能があるものも。
酒粕甘酒にはこの様々な種類のペプチドが含まれていて、多くの病気予防につながることが発見されています。
さらに、酒粕甘酒には肥満予防の効果も期待できるのです。
酒粕の中には、ブドウ糖を分解させないようにはたらく成分が含まれています。
この成分が、血糖値の急上昇を抑えて脂肪の蓄積を阻止!ダイエットの見方となるわけですね。
酒粕甘酒は病気を予防したい方やダイエット中の方にオススメですよ。
まとめ
- 米麹甘酒には、早造り、薄造り、硬造りの3種類の作り方がある
- 米麹のみで作る甘酒と、ご飯と米麹で作る甘酒では、甘さや食感、風味などが異なる
- 米麹のみの甘酒は、炊飯器や魔法瓶、ヨーグルトメーカーなどで手作りできる
- 米麹甘酒と酒粕甘酒は原料だけでなく、味、期待できる効果なども異なる
今回は、米麹甘酒についてまとめてみました。
米麹のみで作る甘酒は、麹の風味が豊かに香りリッチな味わいに。
自宅でも簡単に手作りすることができますので、一度試してみてはいかがでしょうか?
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