8月に入り、スーパーで見かけることも多くなってきた、さつまいも。
実は調理の仕方によってさつまいもの甘さが変化するのをご存知でしたか?
さつまいもの甘味をアップさせるには、じっくりと時間をかけて蒸すことが重要です。
せっかちな私は今までそんなことを知らず、電子レンジに入れて一気に温めスタート。
温めたさつまいもを食べて、思ったよりも甘くないな…なんてことがよくありました。
ところがよく調べてみると、さつまいもは高温で温めると甘くならないということが発覚!
この記事では、さつまいもをお家でも美味しく味わうために、さつまいもを美味しく蒸す方法を紹介します。
さつまいもを蒸すときは時間をかけてじっくりと!甘くするコツとは
ホクホクしてあま~い、お店で購入した石焼き芋。
お家でも作ってみよう!とレンジでチン。ところが、なぜかお店のさつまいもほど甘くならず…。
実は、さつまいもの甘さを引き出すには、加熱の時間や温度にコツがあることが分かりました!
さつまいもの甘味はデンプンと酵素のおかげ
さつまいもの甘みの秘密、それはさつまいもに含まれるデンプンとβアミラーゼという酵素にあります。
さつまいもの主成分デンプンは、ブドウ糖の小さな粒が何個もつながってできている成分。
このブドウ糖がつながったままの状態では、甘みは感じられません。
そこで力を発揮するのが、さつまいもに含まれるβアミラーゼ。
βアミラーゼは、ブドウ糖の粒々を切りはなして麦芽糖を作り出します。
麦芽糖は、砂糖の1/3程度の甘みと比較的おだやかな甘さが特徴的。
ですが、水飴の主成分でもあり、麦芽糖を多く作り出すことで甘いさつまいもにすることができるのです。
βアミラーゼを十分にはたらかせるためのポイント
デンプンを分解して、麦芽糖を作り出すβアミラーゼ。さつまいもを甘くするには、βアミラーゼを十分にはたらかせる必要があります。
βアミラーゼをよくはたらかせるためのポイントは次の通り。
デンプンを糊化している状態にすること
糊化とは、水を加えて加熱することによってデンプンが粘りのある状態になること。
デンプンは先ほどもお伝えした通り、ブドウ糖の粒がいくつもつながっている物質です。
この粒同士は固く狭くつながっていて、そのままでは酵素が入り込む隙間がありません。
ところが、水と一緒に加熱すると粒の間に隙間ができてゲル状に変化し、酵素が入り込みやすくなるのです。
さつまいもに含まれるデンプンの糊化が始まる温度は、一般的に65℃~75℃。(※品種によってはもっと低い温度で糊化するものもある)
βアミラーゼをよくはたらかせるためには、この65℃~75℃でまずはデンプンを糊化させることが重要です。
βアミラーゼが壊れない適切な温度を維持すること
酵素にはそれぞれ活動しやすい温度があります。その最適な温度をはみ出てしまうと、酵素の活動が止まってしまうことも…。
βアミラーゼが最も活動する温度は、65℃~80℃。そして、80℃を超えると失活してしまうと言われています。
さつまいもを甘くするコツはじっくり時間をかけて加熱すること
デンプンが糊化する温度帯やβアミラーゼがよくはたらく温度が分かりましたね。
これらの点を考慮すると、甘いさつまいもを作るための温度は65℃~75℃。
βアミラーゼにたくさんはたらいてもらう為に、じっくりと時間をかけて65℃~75℃を維持して加熱するのがさつまいもをあま~くするコツなのです。
その点、石焼き芋は熱がゆっくりとさつまいもの内部に伝わるように加熱していくので、甘味を十分に引き出す理に適った調理法だったのですね。
さつまいもを蒸す簡単レシピ
じっくり時間をかけて加熱すると甘くなるさつまいも。
では、具体的にどのようにさつまいもを調理したら良いのでしょうか?
低温でじっくり加熱できるといえば蒸し器ですが、蒸し器を持っていない方も多いですよね。
そんな方のために、レンジや鍋、フライパン、炊飯器など自宅にあるもので美味しいふかし芋を作る方法をご紹介します。
蒸し器を使った方法
蒸し器は、食材の水分や栄養を逃さずおだやかに加熱することができます。
蒸気を使って食材を加熱するので、高温になりにくいのが特徴です。
そんな蒸し器は、さつまいもを調理するのにピッタリ。蒸し器でじっくりと加熱すれば、さつまいもを甘く蒸すことができますよ。
- さつまいも
- 水
- 蒸し器
- 竹串
- STEP1さつまいもをよく洗い、水を入れた蒸し器に入れて蓋をする
- STEP2強火で沸騰させる
- STEP3沸騰したら少し火を弱めて、15分~20分蒸す
- STEP4竹串がすっと入るようになったら完成
※固くて竹串が入らない場合は、さらに加熱する
電子レンジを使った方法
電子レンジは、短時間で食材を温めることができて便利ですよね。
ただ、さつまいもにとって短時間の加熱は逆効果…。
他の食材と同じように電子レンジでさつまいもを温めると、パサパサで甘味がなくなってしまいます。
ところが、使い方によっては電子レンジでもさつまいもの甘さを引き出すことができますよ。
- さつまいも
- ペーパータオル
- 竹串
- ラップ
- STEP1さつまいもをよく洗う
- STEP2濡れた状態のままペーパータオルで包む
- STEP3ペーパータオルの上からラップで隙間ができないように包む
- STEP4600wで2分加熱する
- STEP5200wで8~10分加熱する
※w数が選べない場合は、解凍モードで加熱する
- STEP6竹串がすっと入るようになったら完成
※固くて竹串が入らない場合は、さらに200wで30秒ずつ加熱する
鍋を使った方法
蒸し器がなくても、ざるやお皿で代用可能!
鍋を使って美味しいふかし芋を作ってみましょう。
- さつまいも
- 水
- 鍋(蓋付き)
- ざる
- STEP1さつまいもをよく洗い、ざるに入れる
- STEP2鍋に水を3cmほど入れる
- STEP3鍋の中に、さつまいもを入れたざるを入れる
- STEP4蓋をして強火で加熱する
- STEP5湯気が出てきたら弱火にして30分加熱する
- STEP6竹串がすっと入るようになったら完成
フライパンを使った方法
蒸し器を持っていない方でも、フライパンはお家にある方が多いのでは?
フライパンでも簡単にあま~いふかし芋を作ることができますよ。
- さつまいも
- 水
- フライパン(蓋付き)
- 竹串
- STEP1さつまいもをよく洗い、フライパンに入れる
- STEP2フライパンに、さつまいもが2cmほど浸るまで水を入れる
- STEP3蓋をして、中火で沸騰するまで加熱する
- STEP4沸騰したら弱火にして20分ほど加熱する
※水がなくなってきたら追加する
※途中で全体に火が通るようにひっくり返す - STEP5竹串がすっと入るようになったら完成
加熱中はフライパンの中の水がなくなっていないか、数分おきにチェックしましょう。
炊飯器を使った方法
ボタン一つでご飯を炊ける炊飯器。いろいろなモードが搭載されていますよね。
その中でも玄米モードは低い温度でゆっくりと炊くように設計されているので、さつまいもの甘さを引き出すのにピッタリ。
玄米モードを使用すれば、炊飯器で簡単に美味しいふかし芋を作ることができますよ!
- さつまいも
- 水
- 炊飯器
- 竹串
- STEP1さつまいもをよく洗い、炊飯器に入れる
- STEP2さつまいもが半分浸るまで水を入れる
- STEP3玄米モードでスイッチを入れる
- STEP4炊き上がり、竹串がすっと入るようになったら完成
※固くて竹串が入らない場合は、さらに5分ずつ加熱する
さつまいもは蒸した後に冷凍がベスト!最適な保存方法を紹介
その都度さつまいもを蒸すのは面倒だから、一度にたくさん蒸したいという方も多いのでは?
そこで気になるのが、さつまいもの保存方法ですよね。
蒸した後のさつまいもは、小さくカットして冷凍しておくのがオススメです。
冷凍しておけば、食べたいときにすぐに甘いふかし芋を食べることができますよ。
- ラップ
- ジッパー付き保存袋(冷凍できるもの)
- STEP1蒸した後、さつまいもをよく冷ます
- STEP2使いやすいサイズにカットする
- STEP3さつまいもを小分けにしてラップに包む
※空気を抜いて隙間なく包む
- STEP4ジッパー付き保存袋に入れて、冷凍
冷凍したさつまいもは、2~3週間保存することが可能です。
食べるときは、冷蔵庫で自然解凍するか電子レンジで温めて解凍しましょう。
まとめ
- さつまいもに含まれるβアミラーゼが麦芽糖を作り出すことによって甘味が強くなる
- さつまいもを甘くする為には、65℃~75℃を維持しながらじっくり時間をかけて加熱する
- ふかし芋は蒸し器以外にも、電子レンジ、フライパン、鍋、炊飯器でも美味しく作ることができる
- 蒸したさつまいもを保存したい場合は、小分けにして冷凍する
今回は、さつまいもについてまとめてみました。
お店で売っているような甘いふかし芋を作るのは難しそう…と思いきや、ポイントさえおさえれば自宅でも簡単に作れます!
さつまいもを美味しく調理して、秋の味覚を楽しみましょう♪
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